ユーラシアグループが発表 2019年度「世界10大リスク」
ユーラシアグループ(米政治学者「イアン・ブレマー」氏が社長を務める米国コンサルティング企業)が今年の10大リスクなるものを発表しています。
1、悪性の種子
Gゼロ時代(G7を構成する主要先進国が指導力を失い、G20も機能しなくなった国際社会を表す言葉)の指導者たちが長期的な問題に対処できておらず、それが後々に悪性種として身を結ぶだろうという予測。
例:トランプ大統領就任後から目立ち始めた民主主義機能の無くなりつつある米国政治制度
例:欧州内でのEU懐疑論
例:米国を中心とした同盟関係の弱体化
…など
2、米中関係(米中摩擦)
これは既に言うに及ばずですね。
何らかのアクシデントで本格的な衝突が起きる可能性がある、とのこと。
3、サイバー抗争の激化
増え続けるサイバー攻撃に対して攻撃的な対応をしていくトランプ政権の戦略がより抗争を激化させていく可能性がある、とのこと。
4、欧州のポピュリズム
ポピュリズムとは大衆迎合主義のことであり、ブレグジット問題も相まって、今年はソレと抗議運動(反政府デモ)が激化していく可能性が高い、とのこと。
5、米国内政
トランプ大統領の言動や執政により政情は非常に不安定になる可能性。
既に、政府機関が長期間に渡って閉鎖されるということがありましたね。
6、イノベーションの冬(停滞)
政治的圧力(最先端の技術革新に必要な資金や人材は政治によって後退)が技術革新を阻害するリスク。
安保上の懸念があるため、個人情報の利用を厳しく規制していくなど。
投資家や市場がその代償を払わされるだろう、と予測。
7、意思なき連合
米国の世界的リーダーとしての力が弱まってきており、トランプ大統領も「米国第一」を唱えている…ことにより、それを利用しようとする北朝鮮やロシア、イスラエルの指導者がいる、と予測。
米国主導の世界秩序は、ここ数十年で悪化していますが、世界的な自由秩序を支持しようとしない世界的指導者の連立がますます勢いを増している。
8、メキシコ
1960~70年代に逆戻りさせる恐れがある、とのことであり、
これは当時、一党支配の弊害から制度改革が行われたが、結果として経済格差や資源価格の暴落などにより経済危機が起こってしまっており、再びこのような問題が発生する可能性がある、ということであり、独裁的政治によって国内リスクを増大させるだろうと予測。
9、ウクライナ
ロシアのプーチン大統領はウクライナを極めて重要視しており、積極的に介入していくと予測。
10、ナイジェリア
ナイジェリアは1999年以来の民主主義への移行以来、最も重大な選挙を迎えている、とのこと。